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ヴォールトを見せ、ダクトを見せ、ついでに電車も見せ…。 |
特徴1については、コンコース階で実現させている(photo#1,#5)。幅20m、長さ70m、高さ9mの大空間には通路以外の用途が与えられておらず、人を滞留させる役割、あるいはギャラリーとしての役割が与えられるだろう。その実験として、ここのヴォールト天井にプロジェクターで広告やインスタレーションを投影する試みが期間限定で行われている。 特徴2はホーム階、コンコース階で見ることができる。機能美・素材美を隠さずに見せることは「元町・中華街駅」でも書いたように、土木屋さんにぜひ学習してもらいたい手法だ。 そして、この駅で最も重要なのは特徴3だと私は考えている。この駅の場合、当初からクイーンズスクエアの真下に計画されていたために実現したのだと思うが、地上のアトリウムからホーム階までの空隙が確保されているのだ。つまりグラウンドレベルに居ながら地下鉄の気配を感じることができるように仕掛けてある(photo#3, #6, #7)。ただし、どこからでもバッチリ見えるというわけではなく、特定の角度からでないと見ることができないのは残念だ(1)。 「新高島駅」で書いたように、私が日本の地下駅に求めたいのは奇抜な造形ではなくて、「天井高を大きく取ること」「できるだけ電車の気配を感じさせるようにすること」の二点である。この事例では残念ながら天井高は高く取れていないが、電車の気配を感じさせる工夫については、まだまだ不十分ではあるものの、高く評価したい。 もちろん完全にホームの上をぶち抜けば天井高も確保される。来街者にとってこの地区の「顔」は駅なのだから、もう少し空間を贅沢に使ってもよいように思う。 みなとみらい線 横浜−新高島−みなとみらい−馬車道−日本大通り−元町・中華街 [補注] (1) 建築家は既に決定された空間構成の範囲内という厳しい制約条件内で設計に取り組んでいることに注意されたい。 [参考文献・サイト] 1) 「みなとみらい線の駅」 雑誌『新建築』2004年1月号, pp100- 2) 横浜高速鉄道ウェブサイト http://mm21railway.co.jp/www/ [行き方ガイド] みなとみらい線は東急東横線と直通運転をしている。
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みなとみらい線 みなとみらい駅 Minatomirai Station |
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#1:ラチ外コンコース(地下2階)。9mの高さを持つヴォールト天井が優美だ。ダクトを青や黄色に塗ってデザイン上のアクセントとして”見せて”いる。ダクトの上には保守用のキャットウォーク、下にはプロジェクターが置かれている。 |
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