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鳥取県 INDEX
大山をいだく最高の立地に、いつもと違う高松伸
DATA
■設計:高松伸/高松伸建築設計事務所
■施工:竹中工務店
■所在地:鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3

■用途:美術館
■竣工:1995年(平成7年)
■規模:敷地面積16175m2 建築面積1711m2 延床面積2825m2
■構造:SRC造, 一部RC造 地上3階
付近の地図(mapion)
中国地方の最高峰である大山(だいせん)の裾野に広がる平原に建つ美術館。生地である鳥取を地盤に創作活動を続けた写真家植田正治(うえだしょうじ・1913-2000)の作品を展示している。

現地を訪れた際の第一印象は、建物本体ではなく、この場所性であり、自然景観だった。人里離れた場所に建てられただけあり、視界を遮るものは何もなく、大山を鑑賞する上で唯一無二の立地だ。(写真#2) この立地であれば、誰が設計してもこの自然景観をどう使うかを主題に据えることになるだろう。

この条件に応えるため(あるいは施主の要望?)、高松伸は普段(例えばこれ)とは作風を変えて、安藤忠雄のようにコンクリート打ち放しのシンプルな造形で自然を切り取る方法を選択している。(写真#7) 素人目にも「高松伸っぽいなあ」と思わせるのは階段の造形くらいだと思う。(写真#8)


個人的には、展示室に接するロビー空間がやや間延びしてデザイン密度が薄いと感じたのと、風景を切り取るにあたりスリット以外の方法も試して欲しかったという気はする。ただ全体的には手堅くまとまっているので、美術鑑賞が目的ならばまず不満は感じないはずだ。東光園に泊まって大山をドライブして投げ入れ堂…のような建築探訪旅行のついでに立ち寄るといいだろう。
植田正治写真美術館
Shoji UEDA Museum of Photography

#1:遠景

#2:大山を望む自然景観(拡大表示
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#3:エントランスはこの右奥にある。 #5:ライブラリーからの眺め #6:3階の通路空間。サッシがややうるさい感じ。 #7:風景を切り取るスリット #8:階段は明らかに安藤のデザインとは違う
 小さい写真はクリックすると拡大表示します。

#9
[参考文献・サイト]
1) 植田正治写真美術館公式サイト
2) 雑誌「新建築」1995年9月号


[行き方]
[自家用車の場合] 米子自動車道溝口ICもしくは米子IC
[バスの場合] JR米子駅などから「大山(だいせん)るーぷバス」を利用する。休日及び夏休み期間のみ運行。便数が極めて少ないので注意。
作成:2008/9/22 最終更新:2008/9/22
作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ: Nikon D70
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