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”若い頃”の菊竹作品。 このスケールならこの造形もアリな気がする。 |
この建物は1〜3階には普通に建物があるが、4階は丸々吹きさらしの空中庭園となっており、5〜6階は7階から吊り下げられている。吊り構造であるため、5〜6階の室内には太い柱・梁が出てくることはなく、木造旅館の空気感を残した空間を作ることができる。また、梁が細いということは、階高を詰めていけるわけで、太くたくましい縦ラインと細くシャープな横ラインの対比を外観に映し出す効果が出せている。 このように外観には様々なスケールやパターンの造形が混在している(果てはHPシェルの屋根なんてものまで…)のだが、不思議と全体としての秩序を失っていない。階段室の配置もここしかない!という必然性を感じる。 ディテールも実に丁寧におさめられている。(当時は巨大建築なのだろうが)建物の規模が程よくコンパクトでヒューマンスケールを逸脱していないのと、時を経てなお大切に使われているのもあり、メタボリズムというよりは、古い木造建築にも似たオーラを放っている。 4階の空中庭園にしても、これだけ低い天高で、しかも素っ気ないコンクリート打ち放しで、鑑賞に耐えるレベルの空間に仕上がっているのは新鮮な驚きだった。 吊り構造という発想、秩序だった「和」を表現する外観デザイン、そして完璧に近いおさまりの良さ。とてもとてもソフィテル東京と同一人物のデザインとは思えない。やはり建築はヒューマンスケールを超えると制御不能になってしまうということなのだろうか…。 |
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東光園 Toukouen |
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米子の日本海沿いに広がる皆生温泉(かいけおんせん)に建つ老舗旅館。言わずと知れた、建築家菊竹清訓の名作だ。 | ||||||||||||||||||||
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[参考文献・サイト] 1) 東光園公式サイト 2) 雑誌「新建築」1965年4月号 3) 「昭和モダン建築巡礼 西日本編」 日経アーキテクチュア [行き方]
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