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公共建築の新形態をぶち上げたインパクトは健在だ。 |
実際に行ってみてまず驚いたのは、噂通りの開口部の多さ。テラスや通路を除くとほとんど床が残らないんじゃないかという印象を受けるほどだ。当初の目論見通り冷房いらずという訳にはいかないが、インパクトは十分。 シーサーが並ぶファサード(photo#1)から裏側に回り込むと芝生広場を囲むように「アサギテラス」が置かれている(photo#10)。ここで印象的なのが植物の色彩。植物の色そのものが本土とは違うように思う。 建築の緑化も良くできている。蒸散による冷却効果を期待していると思うが、積極的な緑化はデザイン的に見ても最適解であったように思う。 この建築は建築家のなすべき仕事について明確な示唆を与えてくれる。 デザイン様式と実用的な機能、地域性との結びつきを解きほぐし、作家なりに咀嚼し再構成し、新たな「建築様式」を提案する。その課程において作家性やデザイン能力が発揮されている。一般に建築家が市街地に建築する場合(山奥なら何をしようと構わないが)、これが正しい能力の使い方だと私は思う。 もちろんこれは沖縄の強烈な地域特性があったが故に可能であったわけだが、どの地域であっても(大都市圏でない限り)、必ず何らかの特性はある。「蔵の町として知られているから蔵をイメージさせる意匠にした」 なんて安易なコピーを口実に街並みを破壊するバカ建築を建てて欲しくない…と切に願う。 建てられてから20年が経過し、ピンク色が褪せてきた今が見ごろのように思える。那覇から美ら海水族館に行く道中にあるので、ぜひ立ち寄ってもらいたい。 [参考文献・サイト] 1) 象設計集団 ウェブサイト 2) 名護市 ウェブサイト 市庁舎概要 [行き方ガイド] 国道58号沿いにある。那覇からだと、高速道路を使って90分ほど。
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名護市庁舎 Nago City Hall |
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#1:シーサーがお出迎え |
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