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広島県 INDEX
貴重な貴重な赤レンガ建築。
DATA
■設計:不詳
■施工:大林組
■所在地:広島県広島市南区宇品御幸2-6-20
■当初の用途:工場
■現在の用途:資料館
■竣工:1911年(明治44年)3月
■構造:煉瓦造
付近の地図(mapion)
日清戦争時に臨時帝都となって以来、広島市内には陸軍関連の施設が次々に建てられ、陸軍に強く依存した軍事都市としての体裁を急速に整えていった。現在郷土資料館として使われているこの建物もそれらの一つで、かつての旧陸軍糧秣支廠(りょうまつししょう)缶詰工場。牛肉大和煮の缶詰が生産されていたようだ。兵器支廠や被服支廠倉庫と同様、この地に工場があったのは宇品港(現在の広島港)に近かったのと、干拓事業でまとまった土地を確保できたためと推測する。(詳細はこちら)。

戦後は1977年まで民間企業が使っていたが、建物の1/3を市の資料館として保存することになり、1984年に改修工事を受け、1985年にオープンした。この改修工事ではレンガ造の内側にコンクリート躯体を新設し、耐震性と新たな床を生み出している。
工場のシンボルだった大煙突は倒壊の恐れがあるとして基部を残し撤去された(photo#5)。

建築としての洗練道は今ひとつながら、市内に残る旧軍施設、しかも煉瓦造の建物は数が少ないため、土地の記憶を残すという文脈での保存は当然といえよう。
ちなみに糧秣支廠には缶詰工場の他に同じくレンガ造の食肉処理場もあったが、こちらはカルビー広島工場として現在も使われ続けている。
広島市郷土資料館 旧陸軍糧秣支廠缶詰工場
Museum of Traditional Provincial Industry
#1:ファサード。エントランスの庇は資料館への改修時に新設されたもの。

#2

#3:缶詰工場の内部(1)

#4

#5:煙突の基部
[補注]
(1) 館内に掲示してあった写真を撮影したもの。

[参考文献・サイト]
1) 広島市郷土資料館公式サイト http://www.hiroins-net.ne.jp/kyodo/
2) 軍都としての景(arch-hiroshima)
3) 広島市+被爆建造物調査研究会(1996)「ヒロシマの被爆建造物は語る」広島平和記念資料館
作成:2000/3/22 最終更新:2009/1/5 作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ:Canon PowerShotG3, Nikon D90
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