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広島県 INDEX
町家のリノベは数あれど、ファサード保存は珍しい。
DATA
■設計:齊藤正/轂工房+近畿大学澤登研究室
■所在地:広島県府中市上下町上下1006
■用途:資料館、コミュニティセンター
■竣工:2003年(江戸期の町家の改築)
■敷地面積1382m2、建築面積428m2、延床面積712m2
■構造:木造2階
付近の地図(mapion)
関連ページ:上下
この建物で注目すべきは、単なるリノベーションではなく、ファサードを面一枚だけ残して建物を解体し再構築した点にある。古材を再利用しているとは思うが、印象レベルでは中身は完全な新築に思えた。

町家を改装した飲食店や旅館などは各地で静かなブームが続いているが、天井が低い、柱を抜けないなどの構造上の制約からは逃れられず、逆にどう制約を活かして魅力的な空間にするかを競っているように思う。一方、この建物は新たなプランに基づいて構造材を入れ直しているから若干の自由がある。というわけで、必要な諸室を配置し、避難動線を考え、天井高や階段の踏み面を確保し、設備を入れ…と設計を進めていくと、結局公共施設の定番にどんどん近づいていってしまう。

もちろん建築としての出来映えは他の凡庸な施設とは別格で、地元や観光客のニーズにほぼ応えられていると思うし、従前建物の記憶を残すための工夫も随所に感じられるのだが、もし現代のニーズを満たしつつ町家建築の空気感(直喩ではなく新たなスタイルの提案でも良い)をもっと表現することができれば傑作の域に入ってきたはずで、正直惜しいなあと感じた。
府中市上下歴史文化資料館 / 旧岡田邸
History and Culture Center of Joge Town
江戸時代、銀山街道(石見銀山〜尾道)の中継地として栄えた上下は、伝建ではないものの県内でも指折りの歴史景観を残している。旧岡田邸は上下の代表的な町家建築であり、解体の危機にあったものを上下町(当時)が入手し、資料館として再生した。

#1:外観上は二棟だが、建物としては一つ。

#2

#3
:図書コーナー

#4

#5

#6:裏側は神楽などのイベントを想定した空地。隣地との境界が曖昧なので、裏庭というよりは広場に近い。
[行き方ガイド]
電車の場合:上下-福山間はJR福塩線で約100分。上下-三次間は約60分。広島市内から行く場合は高速バスが現実的。
バスの場合:広島バスセンターから上下駅まで高速バスで約120分(片道2300円)、駅から資料館までは徒歩10分ほど。

[参考文献・サイト]
1) 雑誌「新建築」2004年1月号

[見学ガイド]
・入館料:無料
・休館日:月曜(不定期に臨時休館あり)
・開館時間:10時〜18時
作成:2005/2/6 最終更新:2007/7/3
作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ:Nikon D70
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