| ホーム | インデックス | 掲示板 | リンク |
|
このサイトについて | 参加のご案内 |
フランス INDEX
現代RC建築のプロトタイプを見る。
DATA
■設計: Auguste PERRET (オーギュスト・ペレ)
■所在地: Le Raincy (ル・ランシー)
■用途: 教会
■構造: RC造
■竣工: 1923年
パリ郊外、ル・ランシーの街に建つ教会建築。本作は、一貫してRC建築の可能性を追求した建築家オーギュスト・ペレの傑作であり、コンクリート打ち放し建築としてはおそらく世界最古と思われる。当初から建築界での評価は高く、日本ではアントニン・レーモンドが東京女子大学礼拝堂の設計にあたって本作をなぞったと公言している。もちろんペレの事務所の出身であるル・コルビュジェへの影響も大きい。

教会建築の歴史は室内容積や開口部を大きくする構造技術の歴史でもある。ゴシック聖堂は大きな窓にステンドグラスで人々を圧倒したが、それでも組積造である限り壁全部を窓にすることはできない。だがRC(鉄筋コンクリート)で柱・梁の構造体を組めば、壁は加重を受け持たなくても良いので、全面を窓とすることもできる。ペレはそれまで研究を重ねてきたRCの知見をもとに、RCにしかできない全く新しいスタイルを提示した。

教会の外観はごくシンプルでアール・デコ的。だが内部に入ると、壁面全てを覆い尽くすステンドグラスに圧倒される。内部の大空間を支えるのは重厚な壁ではなく、細くシンプルな円柱だ(日本でこの細さはありえないが…)。装飾がほとんどゼロで、あらかさまに神を称えるデザインはないのに、光を最大限に取り込んで空間を埋め尽くすことで神を表現している。(ここに載せた写真程度では現場の神々しさを再現できていない)

パリからは少し距離があるが、電車と徒歩で容易にアクセスできる。建築ファンならば必見のスポットといえる。
ル・ランシーのノートルダム教会
Notre-Dame du Raincy
1
2 3 4 5
6
7 8 9 10
1-5:ステンドグラスに覆われた壁面。  6:ファサード側も大半が開口部。 7-8:差し込む光。 9-10:外観の装飾は少ない。
(写真はクリックすると拡大表示します)

より大きな地図で 建築マップ・フランス を表示
[行き方ガイド]
パリ市内からRER E2号線に乗車し、ル・ランシー駅(Le Raincy Villemomble Montfermeil)で下車、徒歩10分。レジスタンス通り沿い。
[お役立ち情報] 2012年9月時点
■パリ中心部から郊外へ出るRERに乗るときは地下鉄(METRO)の切符では不可。券売機(コインしか使えないことが多い)でLe Raincyが属するゾーン4までのチケットを買うか、RERの駅窓口でル・ランシーまでの切符を買う。駅名を言っても通じないので書いて見せた方が早い。日本のような乗り越し精算はできないので、必ず目的地までの切符を買うこと。
■観光地ではなく地元の教会であるため、礼拝の邪魔をしないよう配慮すること。
■一部情報によると隣町で過去に暴動が発生したことがあるようだが、訪問時(土曜日の昼間)は治安面の不安は感じなかった。
作成:2012/10/6 最終更新:2012/10/6 撮影:2012/9/12
作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ:Nikon D90
文章の引用、写真の使用に関してはこのサイトについてを参照の上、個別にご相談ください。
If you wanna use text or photo within this page, please contact me. email
フランス INDEX
(C) Copyright 1998 FORES MUNDI All Rights Reserved