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打瀬小に続く「開かれた小学校」の表現。 FRPグレーチングの経年変化はいかに? |
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千葉市立美浜打瀬小学校 Mihama-Utase Elementary School |
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#1:景観ルールに従った”街区型校舎”の南端部のコーナー。1階は地域開放ピロティ。青いのはFRP製のグレーチング |
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街区型集合住宅が並ぶ「幕張ベイタウン」三番目の小学校。シーラカンスは幕張ベイタウンプロジェクト全体に深く関与していて、「打瀬小学校」に続いてこちらの小学校も(指名プロポを経て)手がけています。ベイタウンの学校がこのような実験建築になるのは、埋め立て地に新たに形成された住宅地には”旧住民”が存在せず、街や学校のコンセプトに共感する住民だけが住んでいる、いわばテーマ型コミュニティが成立し合意形成が容易であるためでしょう。 街区型校舎 ベイタウンでは街区型ボリューム配置が定められており、この校舎も道路沿いに長いファサードを形成しています。 外観で印象的なのが青いFRP製グレーチング。当日は天気が良かったので、青と白のコントラストが青い空に映え、普段ディテールに大して関心を示さない都市計画屋の私でも思わずグッとくるほど。 …とはいえ、近付いてみるとススや埃がたまって早くも薄汚れてます。どこまで経年変化に耐えられるのか少し心配です。 完成度を高めたオープンスクール 美浜打瀬小学校は仕切りのないオープンスクールとして設計されています。今回内部見学はしていませんが、先例である打瀬小学校で生じた問題については一応の改善が加えられているようです。 (詳しくは補注*1を参照) 塀も門もない学校 オープンスクールの方針は徹底されていて、この学校には塀も門もなく、校庭はまるで公園のようです。見に行ったのは休日でしたが、校庭までなら何の障壁もなく入ることができます。多くの学校が不審者侵入を理由に校門を閉ざして警備員を配置しようとしている現代にあって、ここまで「開かれた学校」が実現したのは驚きで、すばらしい決断です。 |
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#8:通路の両側にある箱状のものが教室一つ分。手前右側は職員室。 |
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#9:校庭 |
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#12:幹線道路沿いのファサード |
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[補注] (*1) 従来型の校舎が教室や特別教室などの小部屋をたくさん備えたスタイルであるのに対し、オープンスクールは大部屋を穏やかに仕切って柔軟に使うスタイルとなっている。教育シーンが一方的に教師の話を聞くだけの「講義型」からワークショップ主体の「活動型」に転換するなら、確かにこのシステムは理にかなっている。この考え方に基づいて建てられたのが「打瀬小学校(ベイタウンの第1小学校に相当)」で、フリースペースを多く備えた同校舎は建築学会賞を受けたものの、音と空調という根本的な問題が生じた。以前授業中の打瀬小学校内部を見学したことがあるが、音の問題は確かに深刻で、隣の教室の声が筒抜けであるだけでなく、体育館の音までもが響くのはいくら何でもあんまりだなぁと思った。美浜打瀬小学校ではオープンというスタイルは守りつつも若干仕切りを増やし、さらに建材、構造、配置を工夫して問題の軽減が図られているらしい。 小嶋一浩氏へのインタビュー記事からの引用。
[参考文献・サイト] 1) 雑誌「新建築」2006年6月号 pp65 2) 「これからの学校2006」日経アーキテクチュア特別編集版 3) 幕張ベイタウン自治会連合会ウェブサイト [行き方ガイド]
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