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千葉県 INDEX|幕張ベイタウン特集 |
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街区型(ロの字)住戸配置を基本とするデザインコントロールを機能させた
日本のアーバンデザイン史に残る重要事例。 |
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幕張ベイタウン 開発プロジェクト
Project Makuhari BayTown |
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日本の街並みは美しくない、いやこのカオスが魅力的だ、などの議論の方向性は相変わらず見えない。景観法は成立したものの、意匠という主観的なものを縛る事例は(伝建地区を除くと)ほぼ皆無といっていい状況だ。日本では所有権は絶対不可侵なのに、良い街並みづくりに貢献する義務は課されていない(用途地域や固定資産税はあるが…)ので、例えばピンク色の家を建てる人に「俺の土地で何を建てようと俺の勝手だ」と言われてしまうと手を出せない。権利と義務のアンバランスは現在のカオスを生み出している一因と言える。
一方で、いかにも日本的なやり方として、地縁コミュニティの力で景観を守った今井(重伝建)や、地域の有力者がイニシアティブを発揮して統一感のある街並みを創り上げた代官山があるが、あくまで例外中の例外であり、地縁コミュニティが無くなり多様な権利者が入り交じっている既成市街地でのデザインコントロールは極めて困難な仕事になる。
一方、地権者のいない新規の市街地ではデザインコントロールの様々な試みが行われており、中でも幕張ベイタウンの存在感は際立つものがある。幕張は埋め立て地に新たに計画された街区であり、地霊もなければ地権者もいないという、アーバンデザイナーにとっては理想的な状況でプロジェクトが進められた。「厳格な規制」と「柔軟な運用」の組み合わせによって建築家の暴走を抑えつつ作家性を発揮させることに(批判はあるものの)成功し、街区型(ロの字型)の中層集合住宅が建ち並ぶ独特の街並みが形成されている。 |
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