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東京に残る「ごいち作品」 |
正面に六角堂(中に本尊が安置されている)を置きその前に演壇、さらに手前には長椅子が配されている空間構成は仏教寺院ともキリスト教聖堂とも違う独特なもので見る者を混乱させるが、要は説法に最適化された近代建築だと割り切ってしまえば整理が付く。 頭上の小屋組も要チェックだ。木造トラスの接合部に鉄板とボルトが使われており、現代の木造建築で使われる構造形式に近い。この建物の施工当時、武田はパナマ太平洋博覧会万博日本館の仕事のため渡米していたが、その際各国パビリオンの構造を見聞し、急遽設計変更の指示を出したという。 ディテールの仕上げも実に丁寧。当時の建築業界は工業化が不十分だったから建具(窓やドア)や家具(椅子など)まで建築家が手がけることが多く、今どきの建物とはデザインの密度がまるで違う。 かなりの部分を武田五一自らデザインしたと思われ、しかもレプリカではないオリジナルが奇跡的に残されている。「ごいちファン」なら見逃せない建物と言えよう。 |
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求道会館 (東京都指定有形文化財) Kyudo Hall |
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建築マップではお馴染みの「ごいっちゃん」こと武田五一。東京に現存する武田作品で、おそらく唯一良好な状態で見学できるのがこの求道会館だ。 | ||||||||||||||||||||||||
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[見学ガイド] 見学できるのは毎月第四土曜日の限られた時間帯のみ。予約は不要。事前に公開時間を公式サイトで確認すること。 [補注] (*1) 武田五一(たけだごいち・1872〜1938) 広島県福山の生まれ。1897年東京帝大造家学科卒、プロフェッサーアーキテクトとして京都帝大建築学科を率いる。求道会館施工時期に重なる1915年当時にはパナマ太平洋万国博覧会のためアメリカに出張している。 (*2) 近角常観が信仰実践の場として設立した施設で、求道会館に隣接して建つ。現在残る建物は武田五一の設計により1926年に竣工したもので、2006年に集合住宅へのコンバージョンを受けた。 [参考文献・サイト] 1) 求道会館 公式サイト [行き方ガイド]
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