| ホーム | インデックス | 掲示板 | リンク | このサイトについて | 参加のご案内 |

スペイン・インデックス |
Palacio de la Alhambra
アルハンブラ宮殿
711年にイベリア半島に進出したイスラム勢力は瞬く間に半島を制圧し、コルドバなどの都市では西ヨーロッパより遙かに高いレベルのイスラム文化が花開きました。しかしキリスト教勢力がこれを徐々に押し戻し、1492年にはついにイスラム最後の砦であるグラナダが陥落し、イベリア半島は再びキリスト教勢力のものとなります。
アルハンブラ宮殿はそのグラナダを見下ろす丘の上に築かれた城塞・宮殿・離宮から成ります。アルハンブラとは「赤い城」という意味で、1238年にナスル朝ララマール王が宮殿の建設に着手、以後21人の王達の手によって増改築が重ねられていきます(砦自体は9世紀に建設されたようです)。王達はアルハンブラ宮殿の造営を通して、ただひたすらにイスラムの美を追求し続けました。その姿はまるでレコンキスタ(イスラムに対するキリスト教勢力の大攻勢)という現実から逃れようとしているかのようです。
グラナダ陥落後、街のモスクは破壊されカテドラル(大聖堂)が建設されました。しかしこのアルハンブラ宮殿が完全に破壊されることはなく、現在でもその優美な姿を見せています。
アルハンブラ宮殿 アルカサバ カルロス5世宮殿 ヘネラリーフェ


所在地: スペイン・グラナダ
設計者:
建築年代: 13-14世紀
登録: 2000/10/15
最終更新: 2000/10/17
登録者: makoto / arch-hiroshima


アルハンブラ宮殿/Palacio de la Alhambra

Patio de Arrayanes
アラヤネスのパティオ(天人花の中庭)

見学コースの入り口から入ってきて大使の間(コマレスの塔)を抜けると目の前にアラヤネスのパティオが広がります。
砂漠の多い地域で生まれたイスラムでは建築に水を実に巧みに取り込みます。このアルハンブラの場合は ”イスラムらしさ” に徹底的にこだわっただけのことはあって、イスラムの水に対する考え方を明確に示すことに成功しています。

王宮に入った頃(混雑緩和のため入場する時間帯がチケットに印刷されています)には快晴になり、王宮の最も美しい姿を見ることができました。
これでもう少し人が少なければよかったのですが、、、。


Patio de los Leones
ライオンのパティオ
 

14世紀に完成した中庭で、中央にあるライオンの噴水から名付けられたようです。
この中庭の主役は何といってもこの大理石の柱です。124本もある柱にほどこされた装飾は本当にすごいの一言です。

偶像崇拝を禁じるイスラムでは、内装に人物の絵のかわりに幾何学模様が用いられます。
また、絨毯をひいてクッションを置きその上に寝そべるという習慣があるので、自然と天井周りの装飾に力が入ることになります。



ライオンのパティオに面した部屋です。
先ほど「天井に力が入る」と書きましたが、この部屋の装飾が一番分かりやすいと思います。
ゴテゴテした装飾は室内のかなり上の方に施されていて、天井付近の窓の配置も上を見上げたときの見え方(左の写真)を意識してデザインされています。
それにしても、鍾乳洞の中を思わせるこの装飾には圧倒されます。


Estanque y torre de las Damas
ダマスの塔と池






アルカサバ/Alcazaba

アルハンブラの中では最初に造られたのがこのアルカサバ(砦)です。塔に登るとグラナダの街を一望することができます。
カルロス5世宮殿/Palacio de Carlos V

グラナダを奪還したキリスト教勢力の王が建てた宮殿で、スペイン・ルネッサンスを代表する建築とされています。キリスト教勢力の優位を示そうとしたためか、意図的にオーバースケールにしたような実に変な建物になってしまっています。

私にはキリスト教の優位というよりは
自分たちより優れたイスラム文化に対する王の嫌悪感というか劣等感みたいなものしか感じられません。
ヘネラリーフェ/Generalife

ヘネラリーフェとはアラビア語で「天の楽園」という意味で、天国にあるという水の庭園のイメージを形にしたものとされています。王の避暑のための離宮として使われていました。
シエラ・ネバダ山脈から引かれた水は途絶えることなくこの庭園を潤しています。噴水は敷地の高低差を生かしたもので、イスラムの土木技術水準の高さを伺わせます。右下の写真は敷地内の階段ですが、手すりにある溝を水が流れています。溝を流れた水は一度小さな噴水になってまた溝に戻り、さらに下にある大きな噴水に向かっていきます。

スペイン・インデックス


(C) Copyright 1998 FORES MUNDI All Rights Reserved