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様式建築のリノベーション。 建築的な洗練度は全国屈指だ。 |
昔の銀行、特に金本位時代の銀行は大量の紙幣や金塊を建物内に収蔵するがために極めて強固に設計されていたため、リノベーションを考える上では有利だ。しかしこの建築は(関東大震災前であるためか)基本的に煉瓦の組積造であるため、垂直方向の力には強いが横方向に揺さぶられるとガラガラと崩れてしまう。この水平力に対抗するため、リノベーションにあたっては室内に4本の柱が新設された。この柱には空調・音響・照明が集約して組み込まれており、リノベ時に何を追加したのか分かりやすい。もちろん内装デザイン上のアクセントともなっている。なかなかうまい解き方だ。(写真#2) 改修設計の意図については参考文献2)に記載があるので少し長いが引用する。
また、この施設が指定管理者制度によりNPOに管理委託されているのも重要なポイントだ。多くの公共建築がローテーションで回ってくる(えてして芸術に無理解な)役人の手によって見るも無惨なことになる(例えばデザイン性ゼロのサインを壁に貼るなど…)が、ルネスホールでは設計者の意図通りの空間が(今のところは)保たれている。経費節減が主目的の指定管理者制度ではあるが、建築のクオリティを保つ効果も大きいなと改めて感じた。 総合評価としては、今どきのリノベーションとしては全国でも第一級の洗練度で、細部までデザインの手が行き届いている。岡山市内で建築探訪をするなら外せないスポットといえよう。 |
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ルネスホール / 旧日本銀行岡山支店 Renaiss Hall / Former Okayama Branch of Nippon Ginko |
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![]() #1:ファサード。列柱を備えた正面エントランスは閉鎖され、増築部にエントランスが新設されている。増築部は彩度を抑え軽快な意匠でオリジナルとの調和がしっかり果たされている。欧州ではありふれたことだが国内では珍しい。 |
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![]() #2:ホール内部。向かって右側壁面が#1のファサードにあたる。室内には耐震補強のための太い柱が新設されている。 |
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![]() #3:本館(左)の裏側の建物は解体撤去されこのような中庭になった。写真ではうまく写せてないが、この外構デザインもいい感じ。 |
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[参考文献・サイト] 1) ルネスホール公式サイト 2) 雑誌「新建築」2005年10月号 [行き方]
[見学ガイド] 基本的にイベント等がなければ自由見学可能。 |
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