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神奈川県 INDEX
建設から半世紀を経た"名建築"は
モダニズムの「善し」「悪し」両方を感じさせる
DATA
■設計:坂倉準三/坂倉準三建築研究所
■所在地:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53
■用途:美術館
■竣工:1951年(昭和26年)
■延床面積:1585平米
■構造:S造2階
付近の地図(mapion)
日本を代表する美術館建築としてあまりに有名。鶴岡八幡宮の敷地内、平家池の畔に建つ。ル・コルビュジェに師事した坂倉は帰国後すぐパリ万博日本館(1937年)で世界的な名声を得るという華々しいデビューを飾るものの、大戦の影響もあり、本作が本格的な国内第1作となっている。

建築の構成は極めてシンプルだ。ファサード(photo#3)のど真ん中にある階段を上がった2階が展示室。1階はピロティで、展示を見終わって降りてくると平家池を望むシーンが目の前に現れる(photo#1)。展示室は中央に設けられた中庭を取り囲むように配置されている。


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神奈川県立近代美術館 鎌倉館
Museum of Modern Art, Kamakura

#1:景を切り取るシャープさから来る緊張感と、時を経て育ってきた地霊とが相互作用を見せる。

#2

 #3:ファサード。写真では伝えられないが、外壁の質感の無さにはガッカリする。

 #4
造形はすばらしく洗練されたものだが、外壁にアスベストボードをつけたのはなぜ? どうしても疑問を感じてしまう。
大谷石、コンクリート、鉄骨といった建材の劣化は「風合いが出ている」と前向きに表現できるけど、このボードでは「汚れている」以外の感想を持ち得ない。形はいい感じなのに近付いてみるとガッカリしてしまうハウスメーカー製住宅のような感じだ。
理由を勝手に推測してみる。この地が鶴岡八幡宮の借地であり暫定利用が前提であったこと、当時の技術では鉄骨造で重い外壁を支えられなかった、予算上の問題…。
メンテナンスについても十分とはいえない。建築自体の延命処置は当然のこと、育ちすぎた植栽の手入れも必要だろう。

さて、半世紀前ですら小規模な感があった本作は、現代のニーズに適合していない。展示スペースの不足はもちろん、エレベータを設置できない、厳密な温度湿度管理ができない、重量のある展示に耐えられない…等々。
さらに、鶴岡八幡宮との借地契約が終了する2016年以降どうなってしまうか、動向が懸念される。
[参考文献・サイト]
1) 神奈川県立近代美術館ウェブサイト http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/index.html
2) 「建築MAP横浜・鎌倉」 TOTO出版

[行き方ガイド]
JR鎌倉駅から徒歩15分ほど。鶴岡八幡宮の敷地内。

[利用ガイド]
■開館時間:9:30-17:00 (最終入場16:30)
■休館日:月曜、祝日の翌日、展示替え期間
■入館料:展示による


作成:2005/1/23 最終更新:2005/7/20
作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ:Nikon D70
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