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建設から半世紀を経た"名建築"は モダニズムの「善し」「悪し」両方を感じさせる |
建築の構成は極めてシンプルだ。ファサード(photo#3)のど真ん中にある階段を上がった2階が展示室。1階はピロティで、展示を見終わって降りてくると平家池を望むシーンが目の前に現れる(photo#1)。展示室は中央に設けられた中庭を取り囲むように配置されている。
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神奈川県立近代美術館 鎌倉館 Museum of Modern Art, Kamakura |
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![]() #1:景を切り取るシャープさから来る緊張感と、時を経て育ってきた地霊とが相互作用を見せる。 |
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造形はすばらしく洗練されたものだが、外壁にアスベストボードをつけたのはなぜ? どうしても疑問を感じてしまう。 大谷石、コンクリート、鉄骨といった建材の劣化は「風合いが出ている」と前向きに表現できるけど、このボードでは「汚れている」以外の感想を持ち得ない。形はいい感じなのに近付いてみるとガッカリしてしまうハウスメーカー製住宅のような感じだ。 理由を勝手に推測してみる。この地が鶴岡八幡宮の借地であり暫定利用が前提であったこと、当時の技術では鉄骨造で重い外壁を支えられなかった、予算上の問題…。 メンテナンスについても十分とはいえない。建築自体の延命処置は当然のこと、育ちすぎた植栽の手入れも必要だろう。 さて、半世紀前ですら小規模な感があった本作は、現代のニーズに適合していない。展示スペースの不足はもちろん、エレベータを設置できない、厳密な温度湿度管理ができない、重量のある展示に耐えられない…等々。 さらに、鶴岡八幡宮との借地契約が終了する2016年以降どうなってしまうか、動向が懸念される。 |
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[参考文献・サイト] 1) 神奈川県立近代美術館ウェブサイト http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/index.html 2) 「建築MAP横浜・鎌倉」 TOTO出版 [行き方ガイド] JR鎌倉駅から徒歩15分ほど。鶴岡八幡宮の敷地内。 [利用ガイド] ■開館時間:9:30-17:00 (最終入場16:30) ■休館日:月曜、祝日の翌日、展示替え期間 ■入館料:展示による |
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