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鹿児島県 INDEX
現代に様式建築をつくる試み。
DATA
■設計: 斉藤久季(本館の当初部分)
■所在地: 鹿児島県鹿児島市金生町3
■用途: 店舗
■竣工: 1916年(本館)、1932年(新館)
 1998年(外観改修)
■構造: RC造・SRC造
付近の地図(mapion)
一方、奥の方ではモダニズムだったところに装飾を付けた箇所もあり、見た目のちぐはぐさが増している。分かりやすいのがエレベーター塔屋で、デザインが中途半端すぎて全体のバランスを壊している。
結果論かもしれないが、装飾がなじまない箇所は無理せずモダンだと割り切った方がよかったように思う。様式建築の本場である欧州ならコーニスラインより上は石っぽくせずガラスで覆うだろう。

この建物がフェイクではない本物の”古い建物”だと実感できるのは室内の構造的な部分で、梁のアーチや極端に階高の低い箇所(百尺制限のため?)など、現代の建物にはない要素がふんだんに見られる。
山形屋百貨店
Yamakataya
鹿児島の商業環境で圧倒的な力を持つ老舗百貨店。
写真#1の手前部分は本館と呼ばれ、ドーム屋根の塔屋を持つ様式建築として大正時代に竣工、エレベーターも備えており関西以西で随一の百貨店と讃えられた(*1)。だが、特徴的な塔屋は戦後に撤去されてしまい、上へと増築されていった。今の塔屋は当初のデザインをなぞって再建されたものだ。間近でじっくり鑑賞するのは辛いけども、遠くから眺める都市景観レベルでは彫りの深さが印象的で見栄えがする。

#1
:手前が本館で奥が新館。建築年代や様式の異なる建築群が複雑な増改築を経て一体化している。このくらい離れて眺めれば、ファサードの彫りの深さが都市景観にプラスになっていると分かる。
[補注]
(*1) 本館の当初の設計を担当した斉藤は鹿児島出身で、東京の曽禰中條建築事務所で研鑽を積んだ建築家である。

[参考文献・サイト]
1) 山形屋ウェブサイト
2) 鈴木健二、古家靖士、若松俊輝(2011)「鹿児島・山形屋百貨店1号館の増改築と機能の変遷に関する研究」 日本建築学会技術報告集第17巻第36号

[行き方ガイド]
市電「朝日通」電停から徒歩3分
作成:2013/1/21 最終更新:2013/1/21 作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ: Nikon D90
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