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瀬戸内海沿岸での大屋根の表現 |
瀬戸内海でも特に狭い海峡として知られる音戸の瀬戸(おんどのせと)にも近い、穏やかな海面に面して建つ公共施設。行政窓口・図書館・公民館・多目的ホールの各機能が大屋根の下にまとめられている。 ホール機能を含むため建築のスケールはどうしても大きくなるが、その一方で周辺には昔ながらの集落が広がっており(こちらを参照)、これらとの調和をどう図るかが大きな課題となる。最近の隈研吾は地場の建材や自然素材による表現を指向している(例えばこれ)が、このケースでも本瓦を使うことで調和を図っていこうという意図があったようだ。
しかしスケールの差はいかんともしがたく、ある程度距離を取ると(本瓦かどうかなど分からないので)ノッペリとした大屋根はやはりオーバースケールな印象を与えてしまう。本瓦効果は今ひとつだなと思った。(写真#2, #3) ではスケールが調和してないからダメかというと、そうでもない。遠望すると大屋根はまるで工場のように見え、周辺の沿岸には造船所や工場が点在している(写真#4)ので、違和感はさほどでもない。狙ったかどうかはともかく、結果的には良いものになったと思う。 室内の壁面の多くは木ルーバーで覆われており(写真#6〜10)、日よけや視線よけといった実用性ではなく、壁面装飾の手段としてルーバーが使われている。いかにも隈研吾っぽい表現ではあるが、ここまで埋め尽くされるとまるで巨大動物の体内に居るような印象で、気持ち良い空間とは言い難いような…。 |
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呉市音戸市民センター Ondo Civic Center |
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#1:正面。海沿いの立地で条件は申し分ない。 |
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#2:本瓦ルーバー |
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#3:音戸大橋越しに撮る |
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#4:呉の造船所 |
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[参考文献・サイト] 1) 雑誌「新建築」2008年3月号 [行き方ガイド]
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