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瀬戸の島に魅惑の建築パラダイスがありました。 |
瀬戸田町は瀬戸内海に浮かぶ生口島(いくちじま)にあります。本四連絡橋「しまなみ海道」が開通してからは、車で行きやすくなりました。今日の目的地は耕三寺です。魅惑の建築パラダイスです。しかもバブル期のアホアホなイミテーション建築たちとは意気込みが違うんです。パクリ方がマジなんです。
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耕三寺博物館 Kosanji (Temple and Museum) |
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![]() #1:これだけ見たらみんな日光と間違うぞ、きっと。 |
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さあ、つきました。…なんでしょうね、この門は。(写真#2) この後の展開を期待させてくれるじゃないですか。 あ、五重の塔だ。(写真#4) 案内板によると、室生寺にある塔のパクリらしいですよ。室生寺といえば奈良時代ですね。ただ、オリジナルそのままというわけでもなくて、屋根は銅板葺きになっています。クライアント(耕三寺耕三和上)の意向なのでしょう。 近くには美術品の展示室があります(写真#5)。四天王寺金堂(江戸時代)のコピーらしいです。四天王寺には行ったことないから分からないなあ。中には美術品が展示されていますが、そんなものは無視です。本命の孝養門に早く行きたいんです。 |
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あったあった、孝養門。日光の陽明門(江戸時代)にそっくりじゃないですか。何でも、ただ一組しかない図面を文部省から入手して作ったらしいです。昭和28年に門の建立を決意された和上のお言葉によると、「母が子を養育するように年月をかけ手間ひまをも惜しまず、慈しみ建設を続けようとしている」と。お母さん思いなんですねぇ。 | ||||||||||||||||
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さて、ここまでで奈良時代・飛鳥時代・江戸時代の名建築を味わってきましたが、平安時代が抜けています。 平安の名建築といえば…、ま、まさか、 うわっ、やっぱり平等院鳳凰堂だ。(写真#10) ベタといえばベタですが、期待を裏切りません。これだけ何でもアリな世界に長居すると感覚がマヒしますね。さっさと次のゾーンに行きましょう。 |
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![]() #13 |
これは何でしょう?白さが目にしみます。雪山じゃありません。全面大理石のお山です!繰り返しますがここはお寺の境内です。 案内板を読んでみましょう。え〜と、ここは「未来心の丘(みらいしんのおか)」らしいです。敷地面積は5000平米(全て完成すれば一万平米になる予定)で、白く見えるのは全てイタリアはカッラーラの大理石。広島県出身の彫刻家、杭谷一東(くえたにかずと)氏が12年の歳月をかけて製作されたもの…と。ふーん。 仏教というよりは、神様か天使様が舞い降りてきそうな場所ですね。預言者とか似合いそうです。周囲が中東の砂漠なら文句なしなのですが、あいにくここは瀬戸の島。周囲はみかん畑です。…やっぱり何か変だなあ。(写真#16) |
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そもそもこの地に最初に建てられたのは、和上の母親の家であるこの「潮聲閣」(1927年)です。平屋の和風住宅と二階建ての洋館(外装にはスクラッチタイル)を接合した構造になっています。 とっても地味ですが、気合いの入った洋館に共通するオーラを放っていて、「華のある」建築です。今まで見た中で一番慈愛に満ちていると感じるのは気のせいでしょうか? 室内に入ると、浴室の丸窓が目につきます。(写真#19) これはもはや美術品です。お約束のステンドグラスもあります。 和館の各部屋には折上格天井があり、贅を尽くした装飾が施されています。かなり見応えがあります。 建築パラダイスはいかがでしたか? 個々の建築からは、一人の人間の熱い思いを強く感じることができ、大笑いしつつも見応えのあるテーマパークだったように思います。探偵ナイトスクープで小枝がレポートしている「手作り系パラダイス」の親玉みたいな存在ですが、何せかかっているお金が桁違いです。しまなみ海道を走る際には、ぜひお立ち寄りください。 |
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[行き方ガイド]
[参考文献・サイト] 1) 鈴木博之(1999)「日本の地霊」講談社 pp49 2) 耕三寺公式サイト |
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