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このプロジェクトのテーマは、現代のニーズを満たしつつ従前の木造平屋の住宅街の空気感を再現することにあり、中庭空間や路地空間、視線の”抜け”の確保、セットバックによるテラスの確保など、様々な設計上の工夫がなされている。 閉鎖空間と”抜け”のバランス まず、配棟計画を大きく見れば、沿道に壁面を連続させて中庭を囲む「街区型」住棟配置であることが分かる。街区型住棟配置は沿道の街並みを形成し、同時にコミュニティのためのプライベートな中庭を確保することができるため、ヨーロッパ等では一般的な建て方とされる。 しかし実際に行ってみると、壁面は細かく分節され、各所に視線や風の”抜け”が設けられているため、街区型との印象は受けない。また低層部に目を転じると、1階平面のバックヤード・専用庭・エントランスが分散配置されており、死角が少ない。いわゆるマンションとは違う、伝統的集落にも似た空気感がよく出ている。 中庭という閉鎖空間と”抜け”のバランスの巧みさは設計上の特徴といえる。死角の少なさは防犯上も有利だ。 |
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縦動線について 階段はかなり複雑に入り組んでいる。(写真#2・図#3を参照) 2階住戸の玄関は1階に、3階住戸の玄関は2階にあり、それぞれ室内階段を利用する。4・5階に行くには一度直通階段で4階に上がり、4階の共用廊下からアプローチする。この共用廊下は人工地盤ではないが、「路地を上空に持ち上げる」という意味では大高正人の「坂出人工土地」に近い。設計を担当した現代計画研究所代表の藤本昌也が大高事務所の出身であることも影響しているように思う。 |
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[参考文献・サイト] 1) 雑誌「新建築 住宅特集」1986年7月号 [行き方ガイド]
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