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呉を代表する煉瓦建築 |
実はこの建物は鎮守府庁舎としては二代目にあたる。初代の建物も煉瓦造だったが、1905年の安芸灘地震の際に損傷したため取り壊されている。地震でやられたのになぜ再び煉瓦を採用したのかは分からないが、20世紀初頭ではまだRCが実用の域に達していなかったためと推測する。ただ、基礎回りはかなり補強されているようだ。 玄関周辺には御影石が使われている。車寄せに配された角柱の石材加工の質が非常に高く、また各所に細かな彫刻もあしらわれ、かなりの豪華仕様であることが伺える。なお、中央部のドーム屋根は第二次大戦末期の爆撃で破壊され、近年復元されたものである。 もう一つ挙げたいのは、この建物に表裏がなく、陸側(写真#1)と海側(写真#2)の両面がファサードという点だ。これは、上級士官が陸側から自動車(建設当時は馬車)でアプローチするだけでなく、足下の桟橋に内火艇で乗り付け、海側からアプローチすることも想定されているためで、海軍ならではの仕様と言える。 |
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海上自衛隊呉地方総監部庁舎/旧呉鎮守府庁舎 Headquarters of JMSDF Kure District / Headquarters of former Kure Naval District |
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呉には(かなり減ったとはいえ)今なお数多くの煉瓦建築が残されており、その多くが旧軍関係の施設だ。中でも間違いなく代表格に挙げられるのが、この旧呉鎮守府庁舎である。江田島の旧海軍兵学校と共に、西日本屈指の煉瓦建築と言えよう。 | |||||||||||||
#1:陸側ファサード。 |
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#2:海側ファサード。桟橋から上がってくるとこのように見える。 |
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[参考文献・サイト] 1) 日本建築学会(1998)「総覧 日本の建築 第8巻」新建築社 pp184 [行き方ガイド]
[見学ガイド] ・日曜日の 10:30-11:30、14:00-15:00 に限り、外観のみ見学することが可能。事前予約は不要。基本的に自由見学はできないので、門近くの守衛所に申し出て案内してもらうことになる。 ・ただし日曜であっても見学不可の場合もあるので、事前にウェブで確認した方がよい。 |
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