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広島県 INDEX
アンデルセンの本店は、広島を代表するリノベーション店舗でした。
DATA
■設計:長野宇平治
 (修復:山下寿郎設計事務所)
 (リノベーション:大成建設広島支店)
■所在地:広島県広島市中区本通7-1
■用途:店舗
■竣工:1925年
付近の地図(mapion)
被爆時には大きな吹き抜けがマイナスに働き、屋根が落ちるなど甚大な被害を被ったが、山下寿郎設計事務所(現、山下設計)の設計で修復され、再び銀行として使用された。さらに銀行移転後にはタカキベーカリーが買収し、大幅な改装工事(設計は大成建設)を施した後、ベーカリーとレストランの複合店舗「アンデルセン」の本店として1967年にオープンさせた。

本通りに面した正面玄関(photo#1の右半分)には1階部をドーリア式、2階部をコリント式とする石柱が立っていたが、店舗に改装する際にバルコニーもろとも撤去されてしまい、コリント式柱頭を持つ付柱だけが残っている。コーニスも切れてしまっているし、建物にとってはちょっとかわいそうだ。

2014年1月現在では、アンデルセンは本作について解体を含めた検討を行っている。私の個人的な考えとしては、被爆時のダメージが大きく耐震性に課題がある躯体を解体するのはやむをえないと思うが、歴史主義建築が持つ華やかさはモダニズムやレプリカでは絶対に再現できない貴重なものなので、ファサード表面をはぎ取って新たなビルに取り付ける「ファサード保存」をすべきと思う。その際には、失われたバルコニーが復元されるとなおいい。欧州の歴史性を感じさせるブランドイメージから考えてもこれがベストではないだろうか。
広島アンデルセン/旧三井銀行広島支店
Hiroshima Andersen / Old Branch Office of Mitsui Bank
設計者は各地に多くの銀行建築を残し、広島でも日銀を設計した長野宇平治。外観を見ると、装飾が少なく左右対称、矩形窓、正円アーチ、横ライン強調…といった特徴から、ルネサンス風と判断できる。外装は岡山産万成石貼り、内部にはイタリア産の大理石が大量に使われ、大きな吹き抜けも備えていた。窓を見ると桜の装飾があるが、おそらく三井銀行の行章であろう。
1943年には三井銀行と第一銀行が合併したため名称は帝国銀行広島支店となった。

#1:写真右側が正面。店舗として使うには大きな開口部が必要であるため、権威的な石柱などはリノベーション時に撤去された。写真左端は増築部(1977年)。

#2:ファサードの様子
[参考文献・サイト]
1) 広島市+被爆建造物調査研究会(1996)「ヒロシマの被爆建造物は語る」広島平和記念資料館
作成:2000/9/2 最終更新:2014/2/20
作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ:NikonD90
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