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愛媛県 INDEX
瀬戸内海を見渡せる建築ミュージアム
DATA
■設計: 伊東豊雄建築設計事務所
■施工: 大成建設
■所在地: 愛媛県今治市大三島町浦戸2418
■用途: 展示場
■竣工: 2011年
■規模・構造: 敷地6295m2
(スティールハット)延床168m2 S造・一部RC造2階
(シルバーハット)延床188m2 RC造・屋根部分S造
付近の地図(mapion)
スティールハット(写真#1〜#5)
4種の多角形(1辺3m)の鋼板を溶接でつなぎ形作られている展示施設。自然景観の中に挿入された直線という異質なフォルムは、海に浮かぶ船のメタファとも解釈できる。(そういえば今治といえば造船所のイメージが強い)
運用上、エントランスは2階とされ、小さなホールを抜けると3つの展示室があり、さらに階段を降りて吹き抜けのサロンに至る。各展示室の床は正六角形で内壁も外観同様傾斜しており窓もないので、壁・床・天井の区別は曖昧だ。訪問時には開館記念展として展示室の壁や天井にスチレンペーパーでコンタを作った瀬戸の島々(たぶんノンスケール)が貼り付けられ、さらにそこに建築模型が貼り付く…という展示が行われていたが、こういう具合に天井も壁の一部として使ってくれということなのだろう。
ただ、溶接の仕上げは丁寧で良いのだが、ディテールの追い込みが若干甘い印象を受けた。特にサロンに降りていく階段は、このような小さな建物では重要な”見せ場”なのだから、造形にもう一工夫あっても良かったと思う。

シルバーハット(写真#6〜#10)
スティールハットから少し下った場所に置かれた施設。オリジナル(現存しない)が建っていた東京の住宅地とはずいぶんと立地が違うが、エントランス位置を変えたり海側の壁を抜くなどでうまく対応していると感じた。大小7つのヴォールト屋根で覆われているが大部分は屋外、テラスでは海風にあたりながらワークショップを行うことが想定されている。屋内部分には伊東作品の図面が置かれ、さらにかなり余裕のある本棚が備え付けられている。
今治市伊東豊雄建築ミュージアム
ITO Toyo Museum of Architecture
大三島の海岸線近く、風光明媚な丘の上に建てられた、伊東豊雄の名を冠するミュージアム。作品を展示する「スティールハット」と、自身の旧自邸を再現した「シルバーハット」の2棟で構成される。
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1:スティールハットを山側から撮影。通路の設えはイマイチ。 2:海側から撮影。手前のボリューム内にサロンがある。 3:展示室内。 4:サロンへ降りていく階段。 5:展望デッキ。 6:シルバーハット全景。 7:山側から撮影。 8:壁が抜かれ瀬戸内海を一望できる。ちなみに海の対岸は木江。 9:屋内部分。 10:屋根内側の様子。 (写真2〜5、7〜10はクリックすると拡大表示します)
外構に難あり。
訪問した正直な感想として、建築はともかく、車路やフェンスなど外構まわりの印象が良くなかった。例えばシルバーハットは簡素な住まいのスタイルを突き詰めたコンセプトの建築だから軽薄さもデザインの一部になるが、外構は洗練度の低さが見る側に伝わってしまっている。色々理由があるのだろうが、外構に関しては「ところミュージアム」の方がずっと良かった。
[参考文献・サイト]
1) 雑誌「新建築」2011年9月号

[行き方ガイド]
旅客船: 宗方港から島内路線バスに乗車、「ところミュージアム」にて下車、徒歩3分。港から歩くと25分程度。
自家用車: 本土や四国からは「瀬戸内しまなみ海道」でアクセス可能。大三島ICからの所要時間は30分ほど。場内に駐車場あり
作成:2011/12/12 最終更新:2011/12/12 作成者:makoto/arch-hiroshima 使用カメラ: Nikon D90 使用レンズ:Tokina AT-X 124 PRO DX 12-24mm F4
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