旧広島市民球場 [現存せず]

石本建築事務所+広島市 1957

#1:建設時の様子。館内展示写真を撮ったもの。(CC対象外)

広島の都心部にかつて存在した野球場。既に市民球場は貨物ヤード跡地に移転し、この施設は一部を残して取り壊しとなった。ここでは解体前の様子について写真中心にレポートする。

広島東洋カープ(*1)は創設以来本拠地を市街地の南端にある広島総合球場(現広島県総合グラウンド)に置いていたが、交通の便が悪くナイター設備も無いことから都心へ移転させることになり、財界からの寄付等によりこの位置に建設された。第1期工事は着工からわずか5ヶ月で竣工という突貫作業だった。その後、この球場でカープは1970年~80年代に黄金期を迎えることになる。

この旧球場については保存改修の意見も根強かったが、スペースに余裕がなくて女性や高齢者への対応は難しかったし、つくりが安普請なのも否めず、保存するほどの建築的な価値があるようには思えなかった。新球場への移転を契機に観客が大幅に増えたことを考えると、やはり新築移転が正解だったように思う。

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