北村洋品店

不詳

#1

尾道駅の裏側、三軒家地区に建つ商店建築。長年空き家で痛みの激しい状態であったが、地元NPOを中心に修復ワークショップを繰り返して再生させた。子育て世代の交流の場という明確なコンセプトのもと、1階はサロン、2階は子供服などのショップへと改装されている。この時に床を抜いて吹き抜けを設けたことがかなり効いているように思えた(写真#3)。天井はアーティストによる作品で彩られ、大きな見どころとなっている(写真#5)。
仮に同じコンセプトで同じ間取りの建物を新たに建てたとしても、この空気感や暖かさを狙って出すことはできないわけで、やはり新築がリノベーション以上の魅力を獲得するのは、よほど優れた建築家でなければ難しいと思える。また、三軒家アパートと同様、歴史的価値のなさそうな戦後の木造建築であっても、磨けば思わぬ魅力を放つこともよく分かる。