吉田の円筒分水

不詳


#1:水が流れていく様子(動画)。中央から水がわき上がってくるのが分かる。

吉田町の外れ、国道54号から少し入ったところにある円筒分水。円筒分水とは農業用水を地域で分けるための装置で、引いてきた水を円筒の中心部から溢れさせ、その溢れた水を分ける仕組みになっている。円周のどこに仕切りを入れるかによって、意図通りの比率に、公平に水を分けることができる。同様のものは全国各地に点在しているが、広島県内では今のところ本作を含めて2箇所確認している。
円筒分水の最大の魅力は、やはり円筒形という独特な「かたち」にあると思う。しかもこの形はデザイナーがひねりだしたものではなく、機能上の必然性(円形でなければ公平に水を分けられない)から生じているというのが重要なポイントだ。なおかつ本作の場合は現役で使われているため、絶えず水が流れていく様子を眺めることができる。